棟上げに向けて

 

H様邸

明後日にあるH様邸の棟上げ。
それに向けて着々と準備が進んでいます。

このH様邸は25坪。
母屋の隣りに建ちます。
まずはご夫婦2人だけで暮らされるので、リビングを中心とした間取りになっています。

ファースの家なのですが、今回は蓄熱暖房機を使わずにエアコンのみ!
エアコンだけで冷暖房をまかなう記事が
ファース本部のホームページに出ていましたので下に転載させていただきます。
かなりの長文ですが、お時間&ご興味のある方はどうぞ♪

さぁ、棟上げの日のお天気は今のところ曇りのようです。
湿度が高くなければいいのですが・・・。

H様、よろしくお願い致します!

 

 

~北国もエアコンでの冷房と暖房の時代です~

 

時代は北国などの寒冷地もエアコン暖房と冷房の時代です
【ファースの家でエアコン一台の全館冷暖房を立証】

1・寒冷地でエアコン暖房を阻む問題点
① 北海道のような寒冷地では、外気温がマイナス10℃なった時、エアコン室外機の冷媒ガスの温度が更に10℃低いマイナス20℃になるように設定されています。この10℃の熱を吸い上げて室内機に送り、室内気温に10℃加熱するのがエアコン暖房の概略です。
② 外気熱は無限とも言えますが外気温マイナス10℃で冷媒ガス温度が20℃となると、外部の湿気が室外機の熱吸収部分(薄い羽根を重ねたフィン)に瞬時に凍り付きます。
③ 従来のエアコンは、この凍り付いた部分の解凍(霜取り<デフロスト>)を室内からの逆流させた熱で行うため一時的に冷房状態となり、寒い時ほど暖房でなく冷房状態になる事から、寒冷地でのエアコン暖房は、無理があると言われてきた大きな理由です。

2・寒冷地でエアコン暖房を可能したのは
① 室外機の熱回収フィン(熱交換部分)に湿気が凍り付かなければ理論的に外部からは無限に熱を室内に運び込む事が出来るのです。各エアコンメーカーは、霜取り作動を石油やガスを燃焼させたハイブリット方式などの開発を行った経緯があります。しかし、価格面や効率面の課題をクリアー出来ず、量産が出来ませんでした。
② 同じハイブリットでも、細かい作動の出来る電気ヒーター活用の寒冷地型エアコンは、エコブームで開発競争を行い、この2・3年で一気に性能がアップ致しました。
③ この電気ヒーターのハイブリット方式は、メーカーによって多少異なりますが、フィンに霜が付着する事を見越して電気ヒーターで冷媒ガスや周辺部材を加熱する方法です。
④ 電気ヒーターで加熱する際は、電気使用量が多くなりCOP(エネルギー消費効率)が低下します。しかし氷点下が続く北海道の冬でもヒーター加熱時間が極めて限定的で在る事が検証されました。厳寒時にCOP1.0の電気ヒーター加熱をしても、APF(通年エネルギー消費効率)で検証すると、3倍もの効率を得る事が判明しています。

3・寒冷地エアコンは冷房と暖房をシーズン通じて使用出来る
① 寒冷地エアコンと言え、夏場の冷房稼働には何の支障も影響もありません。寒さ対策を重視し過ぎた北国の家では、夏場に暑くて寝られないなどの苦情も多くあります。寒冷地エアコンは、そのまま冷房が出来るため防暑対策にも充分に対応が出来ます。
② 東京近郊に用いたファースの家専用エアコンは、天井裏に設置され空気循環で、天井面、壁面、床面の表面から輻射熱での冷房と暖房を行っています。クオリティーの高い冷房と暖房を保持しながらも暖房では、蓄熱暖房機と対比すると約40%の省エネになります。

3・蓄熱暖房機とエアコン暖房との使用熱量の対比
① 北海道札幌市内に40坪のファースの家(Q値1.25)を建築した場合、蓄熱暖房機は、およそ8kw(4kw1台・2kw2台・の容量を必要とします。この蓄熱暖房機を真冬に時間帯別料金制度の8時間、深夜電力を使用した場合は、8kw×8h=64kwとなります。およそ70%稼働率が普通なので45kw使用する事になります。この45kwを1日24時間で使用すると時間均等が1.9kwの暖房熱量となります。
② エアコン暖房での容量は、定格4kw、COP4.0の寒冷地型エアコンの場合、最高能力10kw、最低能力0.6kw程度で稼働します。このエアコンでは、札幌エリアで24時間暖房した平均が約1.0kwで稼働します。1日24時間で使用電気量が24kwとなり、蓄熱暖房機の約半分近くまで電気使用量を削減する事が可能となりました。
③ 蓄熱暖房機では、夜間に蓄えた熱を放熱する事で暖房空間をつくります。したがって大量に熱を蓄えた翌日に気温が上がったり、日射熱が多かったりした場合は、室内が暑過ぎるなどの難点もありました。エアコン暖房の場合は、設定温度で自動運転を行うため、温度調整やコンプレッサーの入り切りまでもが自動的に作用し、暖め過ぎなどの無駄を無くする事が可能となっています。
④ このように熱量的には寒冷地でエアコン暖房が可能であると言えるようになりました。ファースの家でもエアコン暖房を行う家が次々に建築されるようになりました。しかし、どんな家にでもエアコン暖房機の使用が出来る訳でなく、下記にその要件を記述します。

4・家の性能とエアコン暖房の大きな課題
① エアコンは外部から汲み上げた10℃の熱を室内気温に加温する事で暖房を行います。例えば、室温が5℃の時にはエアコンから吹き出す温風温度が15℃です。この15℃の吹き出し温度まで室温が上昇すると15℃に10℃加温するため、吹き出し温度が25℃となって暖房空間が出来上がります。
② 家の性能が悪くてエアコンから吹き出た温度に室温が上がらない場合は、室内空気が空回り状態となって暖房空間そのものをつくる事が出来ません。エアコン暖房を可能にするに、家の高い断熱性能と気密性能が不可欠となります。
③ 熱量的にはエアコン暖房が可能であっても、暖房空間のクオリティーでは蓄熱暖房機には及びもつきません。蓄熱暖房機は、放熱板からのマイルドな輻射熱で暖房空間を構築していますが、エアコン暖房は温風を吹き出させる対流暖房となります。
④ 輻射熱とは、熱波長(遠赤外線とか熱線とも言う)で人の身体を温めます。身体の芯まで伝わる快適な暖かさが輻射熱暖房の特徴です。
⑤ エアコンの対流暖房とは、空気を温めて吹き飛ばし、対流を起こして住む人の身体に暖気を当てる暖房の事です。断熱気密の性能の伴わない家でのエアコン対流暖房では、温熱が天井付近に上昇し、人の居る床付近が冷える状況になり、極めて不快な暖房空間となります。
⑥ エアコン暖房で最も不快な「足冷頭暖」の現象は、家の気密断熱の悪さの象徴でもあります。しかし家の断熱や気密性能が確立していて、天井面、床面、壁面の温度差が均一に近くなるとエアコン吹き出し温風が殆ど動かなくなります。
⑦ 特に外断熱構造にする事で輻射熱量は飛躍的に増大し、暖房のクオリティーを向上させます。また外断熱は、構造体に暖房熱はもとより冷房熱も吸収してから輻射放熱するため、冷房においても高いクオリティーの冷房空間をつくります。
⑧ 不快なエアコン暖房では、エアコンの消費効率も劣悪な状況で稼働します。場合によっては、使用例で記述した定格4.0kwエアコンのCOPが50%しか発揮しなかった場合、2.0kwの消費電力となり、安価な深夜電力を用いた蓄熱暖房機1.9kwと同等となり、昼間電力を使用した電気料金がはるかに高額になる事もあります


⑨ 高性能の気密、断熱と、特に外断熱(外張り断熱)の構造でのエアコン暖房では、最初のみが対流暖房となりますが、しだいに床、壁、天井が温まると対流が収まり、輻射熱量が多くなります。とにかくエアコン暖房の基本は家の温熱性能が不可欠なのです。

5・家の性能で蓄熱暖房機との組み合わせを
① ファースの家以外の断熱や気密性能の伴わない家では、エアコン容量と調和する適切な容量の蓄熱暖房機との暖房エアコンとを併用設置する事が賢明です。
② スカスカ住宅ではエアコン暖房が不向きだと記述しました。このような家には蓄熱暖房機を置いて、ベース温度を予め10℃以上にしておくとエアコン暖房が生きてきます。室内気温の10℃を吸いこんで20℃で吹き出すことでの暖房空間が出来ます。
③ 既存住宅の温熱環境を整備するには、出来れば断熱、気密性能を上げる施工が望ましいのですが相当な費用が伴います。そのため、蓄熱暖房機と寒冷地型エアコンの併用設置が最も賢い選択だと言えそうです。

6・ファースの家のエアコン暖房実証住宅の結果
① ファース本部は、3年前から実際に人の住まいするファースの家に寒冷地型エアコンを取り付けて様々な立証実験を行って参りました。取り付けた地域は、豪雪で低温地域の札幌市内北部地区、極寒地の道東斜里町、それに北海道ではわりと温暖な函館近郊、地元の北斗市です。家の大きさはいずれも40坪前後です。容量不足を案じて大きめの寒冷地エアコンを設置して住んで戴きました。
② 極寒地、斜里町の家に設置したエアコンは5.6kwです。この家での消費電力の動向を調査した結果、最大でも2kw、平均1kw程度でした。調査した結果、容量的には定格4kw程度で間に合う事が判りました。最適容量が判れば、設置費用の低減やAPF保持で、もっと経済効果を高くできたと思います。
③ 各地域のファースの家に設置したエアコン容量を吟味すると定格4kwの寒冷地エアコン一台で40坪程度の家は、暖房可能だと言う結果が出ております。事実、そのようなファースの家での快適な暖房空間を保持しております。

7・賢明なユーザーは見た目とより中身を重視します
① 電力会社の電力料金メニューには、割高な昼間電力を使用するエアコン暖房に必ずしもフィットしない部分もあります。しかし現在、様々な改善の検討がなされています。
② 東京電力管内に建築したファースの家では、既存料金制度でもエアコン暖房の方が使用電力量と比例するように電力料金も安くなっております。
③ このエネルギーを3倍、4倍に活用できるエアコン暖房は、イニシャルコストとランニングコストを同時に低減出来、合わせて環境保全に大きく貢献出来ます。価格面でも何台もの蓄熱暖房機から一台のエアコン暖房で済むのですから大幅に安価になります。その分をエコキュートに向けると総工事費は殆ど変わりません。しかし、一生涯つきまとう暖房費、給湯費の電気料金を大幅に削減できる事になります。
④ 給湯もエコキュートに切り替える事で、ランニングコストとCO2排出量を更に抑え込む事が可能となります。ファースの家は、社会の潮流を観察しながら先導的に家の性能とエアコンの使用方法を研究立証し、良い家の技術ノウハウを供給しております。
⑤ このような「温熱環境」や「経済観念」などは、住んでからでなければ実感できません。また面倒な理屈が伴うため売り上手な業者は、見て解る外観、内観、内装、家具、キッチンなどに重点を置き、また家を求めるユーザー側も、売る業者と同じ視点で家を計画するため、真の快適性や経済性が後回しにされる傾向が続いています。
⑥ ファースの家は、実際に住みながら様々な立証を行って参りました。実際に住んで戴いているユーザーさまから声を聴くなどして、次世代住宅を検証してください。

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