古いものも大事に活かす
メインの建具は全て以前のものを再利用
リフォームのお客様の要望として「古い建具などは処分し全て綺麗にしてほしい」ということが多い中、中川さんは「今ある古いものも大事なので活かしてほしい」と希望。
私は『そのままを活かす』という経験があまりなかったんですが、中川さん宅のリフォームで古民家の可能性とおもしろさを実感して。
中川さんからもその場その場で「これはできますか?」とたくさんアイデアをいただいて「それ、おもしろいですね!」と採用したものも多いんですよ。
今後に向けて『古民家だからこそできる古き良きリフォーム』にも意欲的です。
図面と現場
頭を打つ心配がなくなった階段
予想外な出来事もリフォームだからこそ。
階段をゆるやかに架け替えたために現場で分かったこと…。
階段を上る時には問題ない天井だけど、下りる時には頭を打ってしまうことに気が付いた大工。
「ここで頭を打つけどええんか?」と、実際に上り下りしながら聞きました。
どう変更すると解決できるのか、中川さんと大工とママ設計士が現場で相談。
壁の上部を一部取り払い、補強に柱を立てることになりました。
スケルトンの時に居合わせる魅力
階段下の打ち合わせ
洗濯機置き場が階段下で、構造的に抜けない柱がありました。
そのせいで洗面台と洗濯機に間に壁ができる事に。
柱だけのスケルトンの時に現場に居合わせたおかげで、大工さんに相談できました。
「ここの壁、開けられますか?」と聞いて、壁をくり抜いてもらったら明るくてなんか可愛い空間になりました。
洗濯機と洗面台の間仕切り壁
素人目線で『素材』の相談
建具の上に入れた中空ポリカ
大工の「壁に透明アクリル板を入れた家もあったな」というお話を聞いて、和世さんは埋める予定だった欄間を※中空ポリカにしたいと相談。
ママ設計士も大工も初めてのアイデアでしたが、やってみると明かり取りになり、隣の部屋からの気配を感じられる繋がりのある空間となりました。
※中空ポリカとは中空ポリカーボネートのことで、2枚のポリカを合わせて作られた段ボールのような空気層がある商品です。
ベテラン大工の技
建具と柱の間にできた隙間を補正中
築約70年と思われる中川さんのおうちは少し傾いていて、襖や障子も両手で力を入れたらやっと開くくらい。
それらを大工が現場で一つひとつ調整しながら仕上げ、おかげでどの襖や障子も気持ちよく開け閉めできるようになりました。
解体後の2階
初めは2階を全て父とDIYする予定だったんですが、大工さんの仕事を見ているうちに2階もお願いすることになりました。
2階の天井板になるシナベニヤを和世さんが塗装中
2階の壁の補強と、筋かい(補強材)が入りました。
筋かいが丸見えになったところも部屋のアクセントになってとてもいいんです。
改めてお願いして良かったと思います。
完成した2階
コミュニケーションを密に取ったからこそ一緒にワクワクできた
このように暮らす人の個性や希望、建物のシチュエーションに合わせ柔軟に変更していくことを楽しめたのは、中川さんと春日工務店が密にコミュニケーションをとっていたから。
工事過程を撮影中の和世さん
両親に報告もあるので、よく現場にお邪魔してビデオを撮ったりしていました。
そのうち大工さんとも過ごす時間が増えました。
足立さんも「気になるところがあるから今から行っていいですか」と連絡をくださり、すぐに来てくれました。
近いからこそすぐに相談できる環境はありがたかったです。
現場監督も私の意見を1つ1つ丁寧に聞いて、思いを汲みとってくれました。
そのため何でも気軽に相談できました。
それは春日工務店にとっても同じ。
今回は近くにお施主樣が住まれているからこそ、リフォーム現場ですぐ相談できてスムーズに工事が進みました。
中川さんがよく現場に来てくれたから、大工さんも思ったことを気さくに言いやすかったんだと思います。
今回の工事を終えて、私もたくさん学ばせていただきました。
もちろん仕事なのですが、それを越えるワクワク感がありました。
中川さんの家づくりのお手伝いをさせていただけた事に心から感謝しています。
まだ工事中、新しくなった玄関前で記念撮影